非正規教員 生活苦の実態


(画像はwikipediaより転載)

非正規教員 生活苦の実態(リンク切れ2019年9月)

【追記】2019年10月1日
この記事は6年前に私が非正規教員について書いたもの。私自身、非正規教員という仕事をやったことがない上に大学院に2年間通っただけで書いている記事でもある。ただ、大学の内部の面倒な非公式制度等について今では忘れてしまっていることが結構書いてあったりもする。一読の価値ありと思い再アップする。

 

―――――ここより2013年の記事―――――

私は文系の大学院修士卒である。この記事はやはり他人事とは思えない。私は修士課程が修了した時に進学することは止め就職することにしたが、正直、未だに研究には未練が残っている。この記事を読んでの私の感想は、正直、「博士課程に進学しなくて良かった」だ。

 

私は現在無職、無収入であるのに何が良かったのかというと、このニュースが引用している記事にもあるように進学するためには借金をしなければならないのだ。私は修士で200万円の借金を背負った。それも特待生で学費半額免除という最も安い方法で、だ。博士課程に進学すればさらに300万円は借金をしなければならなかっただろう。

 

同じ無職、非正規雇用でも借金の額は全然違う。日本学生支援機構の奨学金は仮に私が死んでも連帯保証人が支払わなければならない純粋な借金なのだ。唯一のお情けは利息がかからないということだけだ。それも利息がかからないのは第一種奨学金だけで、第二種奨学金は利息付だ(3%が上限)。

 

普通みんな第一種奨学金を受給する。しかし第一種だけでは足りないという人は、さらに第二種奨学金を申請する。因みに第一種奨学金の金額は私が大学院生だった頃は、月額85000円であった。学費、生活費を考えたら足りるはずがない。ここはベトナムではないのだ。

 

大学院生の出費とは学費と生活費だけではない。研究費というものがある。私の場合、研究費というのは、書籍購入代。地方で遺跡等が発見された場合の調査費等々。さらに私の指導教授は酒好きだったので毎週開かれる飲み会の参加費も大きな出費だ。無論、飲み会は表面的にはともかく実際は強制参加である。

 

私の場合はこれらの費用を捻出するためにスーパーでアルバイトをしていたが、これは本論から外れるので今は書かない。要するに普通のサラリーマンとまでは行かなくてもそれなりに大きな出費がかかるのだ。

 

大学院生の借金というテーマだけでこれだけ字数を使ってしまったが、記事をみると非常勤講師の不満は大きく分けると、

 

①奨学金の返済
②低収入等劣悪な就労条件
③非正規雇用者としての将来への不安

 

ということだろう。

 

非正規教員として就職した教員はその後どうなるであろうか。私の大学院の先輩内3人は大学で教員をやっている。もちろん非正規教員である。その3人の内専任講師になれるのは恐らく1人である。何故そういえるかと言えば理由は簡単である。

 

私の大学は純血主義である。大学院は他大学からも進学が可能なので大学院には自校出身者と他大学出身者が混在している。純血主義とは自大学から大学院にそのまま進学した人間だけを採用するという考え方だ。前述の3人の内自大学から進学したのは1人だけだ。だから専任講師になれるのはその人だけである。

 

では、他の2人はどうなるのであろうか。

①博物館学芸員を目指す。
②他の研究職を目指す。
③出身大学の専任講師を目指す。
④高校教諭等をやりながら非正規教員を続ける。

 

の4通りが考えられる。しかし①の道もまたほとんどが非正規雇用である。非正規雇用であっても競争率は異常に高い。正規の学芸員ともなれば全国から応募が殺到する。1人の枠に数十人が応募するというのはザラだ。

 

②他の研究職を目指すというのも学芸員と全く同様である。そうなると③出身大学の専任講師を目指すか④高校教諭等をやりながら非正規教員を続けるかの二つの選択肢しかない。

 

大体は④であろうが、教員免許を持たない講師は悲惨である。どのように生活を立てていくのか私にもわからない。

無論、私が知っているのは自分の出身校だけの話だ。他の大学には他の大学の流儀があるだろう。例えば、名前は出さないが皇族が伝統的に通う大学がある。そこは基本的に東大出身者しか採らない。その大学の卒業生は純血主義で守られることすらない。どこも色々大変である。

 

さらに現在の学問は専攻が非常に細分化されている。例えば私の専攻は歴史学であるが、歴史学には日本史、東洋史、西洋史がある。日本史にしても考古学、古代、中世、近世、近代、歴史地理等に分れる。

 

基本的にほかの時代に関する知識は一般人と同様と考えてよい。歴史学の研究職の募集があったとしても専攻が違ければ就職できない。

 

ここまで書くと、とても悲惨な現状で地獄のような生活をしていると思われるが、意外にそうではない。これらは入学当初からわかっていることである。私も含めみんな覚悟の上だ。覚悟の上で好きなことをやる。

 

だから大学院入学時に先生から最初に言われる言葉は、

 

「入院おめでとう」

 

なのである。まあ、潔い人達であるのは間違いない。おしまい!

 

2013年8月20日初稿。
2019年10月1日加筆修正。

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